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スペインの国歌に歌詞がない理由

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スペインの国歌は250年以上の歴史があります。 そしてその歴史上、歌詞が付いたことがほとんどありません。 なぜでしょうか。 その理由は、全国民のコンセンサスを得て、国歌に最適な歌詞を付けるのが難しいからです。 


現在の国歌の元になったのは作曲者不明で18世紀に作られた「マルチャ・グラナデラ」(Marcha Granadera)と言われています。 




その後プリム将軍(General Juan Prim1814-1870)は新しい国歌を制定しようと公募しますが、結局気に入ったものがなく全ての応募作品が落選します。  


2007年にスペインオリンピック委員会が国歌の歌詞を公募しました。 音楽家と歴史家ら専門家により歌詞が選ばれましたが、「歌詞賛成派」「歌詞嫌い派」「歌詞ない方がいい派」の間で大論争が起き、最終的に歌詞がない現在の国歌に落ち着きました。




スペイン国歌の歴史


最初にマルチャ・グラナデラの名前が出てきたのは1761年、スペインの歩兵部隊が軍隊行進曲として採用したのが始まりと言われています。 この時は、まだ正式に国歌として制定されておらず、国民の間で有名になっただけでした。 


そして1770年、当時の国王カルロス三世が国歌として正式に制定します。 マルチャ・グラナデラは歌詞の無い楽曲として18世紀の間、国歌としてではなく、王の行進曲としてスペイン人の間で認知されるようになりました。 これは、歌詞が無いことから王室が公の場に出席する時のテーマ曲と思われていたのです。


1870年、プリム将軍は新しい国歌を作ろうとし、国歌を公募します。 しかし、マルチャ・グラナデラの質の高さと比べるとどれも満足いくものがなく、結局マルチャ・グラナデラがそのまま国歌として採用されました。


その後1908年に王室の軍隊音楽家(Banda del Real Cuerpo de Alabarderos de Madrid 矛槍近衛兵音楽隊)のバルトロメ・ペレス・カサス(Bartolomé Pérez Casas)がそれまで使われていたマルチャ・グラナデラを編曲、現在のスペイン国家となりました。


この様にマルチャ・グラナデラは現在までスペイン国歌として親しまれていますが、実は第二共和政時代(1931年-1939年)には他の国歌が採用されていました。 この国歌は「リエゴ賛歌」(Himno de Riego)と言い、歌詞が付いていました。 


時代はスペイン内戦に移り、右派の反乱軍であるフランシスコ・フランコがこの内戦中、自分の占領していた領土でマルチャ・グラナデラを復活させました。 フランコがこの内戦を終結させたことをきっかけに、1942年7月17日にマルチャ・グラナデラは国家として再び制定されます。 実はフランコ政権時代、このバルトロメ・ペレス・カサスが編曲した曲の著作権は個人が所有していました。 民主主義の時代に入り、1997年にやっと国が著作権を取得。 


法律で再度正式に国歌として制定されました。 これにより、正式な楽譜、どのような時に演奏してよいかなどが定められました。


ソース

Por qué el himno de España no tiene letra y otras curiosidades sobre su historia


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